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部位ごとに分かれる虫歯治療とは?注目されているセラミック治療の特徴や保険適用になるのか解説

2023/05/29

虫歯治療では、部位や範囲に合わせてインレーとラミネートべニアとクラウンの3つが主な治療方法として用いられます。
そして、虫歯治療で使用する被せ物、詰め物にセラミック素材を使用することをセラミック治療といいます。

これまでの銀歯と天然歯のような見た目のセラミック治療も選択肢として認識され始めています。

注目されている虫歯のセラミック治療にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
保険適用となるのかについても含めてくわしく解説します。


部位ごとに分かれる虫歯治療とは

虫歯治療は主にインレーとラミネートべニアとクラウンの3つが挙げられます。

主に虫歯が発生した部位や範囲で治療方法が分かれるため、これから詳しく紹介します。

インレー

修復する範囲が小さい場合は、自分の歯質を残してインレーのサイズとなり、その種類はセラミック、ジルコニア、ゴールド、銀歯となります。

ラミネートベニア

修復する部位が前歯の場合でクラウンにしない場合は、ラミネートベニアとなり、その種類はセラミック、ジルコニアとなります。

クラウン

修復する部位が全てとなる補綴となるクラウンの場合は、セラミック、ジルコニア、メタルボンド、ゴールド、銀歯となります。


注目されている虫歯のセラミック治療とは?

歯科医院では虫歯の部分を削り、被せ物や詰め物をして治療します。

これまでは、保険適用の銀歯(主にパラジウム合金)、被せ物、詰め物の素材として使用されてきましたが、審美性に欠けるうえ、劣化もしやすく、金属アレルギーの懸念もあるものです。

実際に、過去に治療した銀歯が、ある日突然、取れたり欠けたりした経験もあるのではないでしょうか。

銀歯には強度はあるものの劣化しやすいことから、取れたり欠けたりしやすく、破損個所から虫歯が進行することもあるのです。

そこで、注目されるようになったのがセラミック素材です。

セラミックの治療には「ラミネートベニヤ」「メタルボンドクラウン」「オールセラミッククラウン」の他「ジルコニア」もありますが、いずれも陶材、つまり、洗面台の素材と同じものからできています。

さらに身近なものであれば、セラミック包丁をイメージしやすいかもしれません。

セラミック素材は天然の歯のような質感、色合いを表現できるだけでなく、銀歯と比較して劣化しにくいことに加えて、金属アレルギーの懸念もありません。

そのため、最近では審美性を意識して、銀歯ではなくセラミック治療を選択することも増えているといえます。


セラミック治療の種類と特徴

セラミックの治療法として「ラミネートベニヤ」「メタルボンドクラウン」「オールセラミッククラウン」の他、次世代のセラミック素材「ジルコニア」を使用するものもあります。

ラミネートベニヤは、歯の表面を少し削って、歯の色をした薄い板を貼り付けます。

メタルボンドクラウン、オールセラミッククラウンはクラウンといわれる冠(被せ物)です。

ここでは、それぞれの治療法、あるいは素材について特徴をまとめます。

ラミネートベニヤ

ラミネートベニヤは虫歯の治療後、残っている歯の表面を薄く削り、セラミックを付け爪のように貼り付ける方法です。

セラミック治療でも特に審美性に優れることから、話したり笑ったりするときに見えやすい前歯の治療に選ばれています。

ラミネートベニヤのメリットは、歯をあまり削らないですむ、治療に時間がかからない、歯肉の色素沈着が起こらないことですが、セラミックが外れたり割れたりしやすいというデメリットもあります。

メタルボンドクラウン

メタルボンドクラウンは虫歯の治療後、歯全体を削ってから金属にセラミックをコーティングした冠を被せる治療法です。

見た目は自歯に近いものの銀歯に匹敵する強度を持つメタルボンドクラウンは、審美性、耐久性のどちらも兼ね備えています。

メリットは、審美性、耐久性に優れるだけでなく、ほとんどの部位に使用できること、さらに表面に汚れが付着しにくく、経年変色しにくいことです。

デメリットは、内側に金属を使用しているため、他のセラミック治療と比較すると表面の色調、質感は劣りやすく、歯茎が黒ずむ懸念もあります。

オールセラミッククラウン

オールセラミッククラウンは虫歯の治療後、歯全体を削ってからセラミックでできた冠を被せる治療法です。

メタルボンドクラウンと違って、オールセラミッククラウンは、冠の内側金属を使用しておらず、セラミックのみでできています。

メリットは、透明感のある審美性、金属アレルギーの懸念もなく、汚れの付着、表面の変色もしにくいことです。

しかし、他のセラミック治療と比較すると、強い衝撃で割れることがあり、強度に劣るデメリットがあります。

ジルコニア

最近、注目されているジルコニアは次世代のセラミック素材です。

ジルコニアの別名は「人工ダイヤモンド」。

セラミック素材の特徴である審美性はもちろんのこと、圧倒的な強度を持っています。

ジルコニアの特徴は、審美性に優れている、強度が高いことに加えて、金属アレルギーの心配もなく、表面の変色、歯茎の変色も起こらず、汚れも付きにくいのがメリットです。

しかし、セラミックである以上、割れたり壊れたりする可能性はあります。

また、歯を削る量が他の治療法と比較して多く、接着の難易度も高いというデメリットも持ち合わせています。

セラミックインレー

セラミックインレーは、100%セラミック素材で作られている、奥歯に対する白い詰め物になります。
特徴からポーセレンインレーとも呼ばれています。

唾液や食べ物の色素などで変色しにくいため、歯の見た目を気におススメです。

また、汚れが付きにくく、歯肉が腫れたりすることが少ないです。

虫歯の詰め物としてよく使用される銀歯に比べて寿命が長く、虫歯になりにくいというメリットもあります。


セラミック治療とインプラント治療の違い

歯科ではセラミック治療の他、インプラント治療も行われています。

セラミック治療とインプラント治療の違いは、セラミック治療は被せ物、詰め物の2種類がありますが、インプラント治療は欠損してしまった歯を補うため、人工歯根と骨を結合して人工歯を装着する治療法です。

また、インプラントに使用されるのは、主にチタンです。


セラミック治療のメリット

セラミック治療に注目が集まるいま、天然歯に近い審美性の高さだけでなく、汚れが付着しにくい、虫歯になりにくい、金属アレルギーでも使用できる、金属と比較して劣化しにくいというメリットも知られるようになりつつあります。

ここでは、それぞれのメリットについてさらにくわしく説明します。

天然歯に近い審美性の高さ

虫歯の治療にセラミック素材が選ばれるのは、銀歯と比較して審美性に優れているからです。

当然、セラミックには審美性の高さ以外にもメリットがありますが、話したり笑ったりしたときに歯が見えてしまう以上、審美性を重視するのも無理はありません。

銀歯は治療する部分にもよりますが、前歯に近ければ近いほど話したり笑ったりしたときに銀歯が見えてしまうばかりか、金属の溶け出しによって歯茎が黒ずむこともあるのです。

汚れが付着しにくい

セラミックで治療した歯の表面と銀歯で治療した歯の表面を比較すると、表面が滑らか(ツルツルしている)で、汚れが付着しにくいです。

ここでの汚れは、主にステイン、歯垢ですが、セラミック治療をした歯の色素沈着の原因とはなっていないといわれています。

虫歯の治療が目的とはいえ、セラミック治療をして歯の黄ばみの対策にもつなげられます。

さらに、セラミックそのものも経年変色しないため、長期にわたって透明感のある白い歯をキープできるのは、セラミック治療の特徴であるといえるでしょう。

虫歯になりにくい

セラミック治療した歯は、その後、虫歯(つまり二次虫歯)になりにくいといわれています。

それは、銀歯のように劣化によって接着箇所に段差や隙間ができ、溜まった汚れから最近が繁殖することによる虫歯のリスクを抑えられるからです。

虫歯を治療して詰め物や被せ物をした歯が虫歯になれば、当然、詰め物、被せ物をはずして、さらに虫歯の部分を削り、場合によっては神経も抜いて、また詰め物や被せ物をしなければいけなくなります。

二次虫歯は想像以上に長期の虫歯治療となるため、肉体的にも金銭的にも経済的にも負担を軽減することからも、最初から二次虫歯になりにくいセラミックを選ぶのも、二次虫歯対策になり得るでしょう。

金属アレルギーでも使用できる

セラミック治療のうち「ラミネートベニヤ」「オールセラミッククラウン」は、金属不使用のため金属アレルギーの懸念がありません。

金属アレルギー体質、あるいはアレルギー体質で金属にも不安を持っているのであれば、セラミック治療を選択することで、将来的なアレルギーの発症を抑えることができます。

ただし、「メタルボンドクラウン」は内側に金属を使用しているため、銀歯と比較すると可能性は低いものの、金属アレルギーを起こす可能性も否定できません。

金属と比較して劣化しにくい

セラミック治療は金属、つまり銀歯と比較して劣化しにくいという特徴があります。

銀歯は強度には優れているものの、劣化しやすい素材です。

セラミック素材を使用すれば、長期にわたってセラミック部分が変形することもありません。


セラミック治療のデメリット

話題のセラミック治療ですが、多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。

セラミック治療を受けるのであれば、メリットだけでなくデメリットも知ったうえで、ぜひ選択してもらいたいものです。

ここではセラミック治療のデメリットについてみていきます。

保険が適用されない

銀歯は保険適用ですが、セラミックは保険の適用外です。

それは健康保険に必要かつ最小限の治療に限り保険を適用するという決まりがあるからです。

例えば、歯を失えば、その後の生活のため人工歯(差し歯、入れ歯など)を装着しなければいけません。

このような場合には、当然、保険適用となりますが、インプラントで治療したい、オーダーメイドの入れ歯を装着したいとなれば、最小限以上の治療とみなされ、保険は適用とはならない「自由診療」と判断されます。

そのため、虫歯の治療にセラミック治療を選択すれば、保険適用されないため、高額な治療費がかかることになります。

なお、セラミックの種類、大きさなどによりますが、詰め物(インレー)は4~8万円、被せ物(クラウン)は8~18万円という費用がかかるといわれているため、経済面を考えて治療を選択しなければいけません。

歯茎が黒ずむことがある

審美性を重視してセラミック治療を選択したのに、歯茎が黒ずんでしまうことがあります。

原因はセラミック治療そのものではなく、治療前の歯の状態などに原因があると考えられています。

歯の神経を抜いている場合、そのままでは被せ物をできないのでメタルコアといわれる金属の支台を使用することがありますが、金属イオンを発生させる原因にもなります。

この金属イオンは歯茎の黒ずみを引き起こすこともあるため、稀に、セラミック治療で歯茎が黒ずむことがあるといわれるのです。

永続的ではない

セラミック治療をしても、永続的に白い歯を維持できるわけではありません。

厳密にいえば、セラミックを使用している部分は、永続的に白い歯を維持できますが、割れる可能性もあります。

また、周囲の歯が虫歯になったり、歯肉、骨などが歯周病になったりすれば、再治療しなければならなくなるのです。

そのため、歯科医院ではセラミック治療後の定期的な検診、クリーニングを呼びかけています。


セラミック治療後の注意点

セラミック治療後、これまでどおりの生活をしていると、セラミック治療をした歯を欠損したり、変色したりしてしまいます。

具体的にどのようなことに注意すればいいのでしょうか。

まずは、歯ぎしり、食いしばりをしないことがあげられます。

程度がひどいと、歯に強い力が加わり、セラミックが割れてしまうこともあるからです。

歯磨きも同様です。

硬い歯ブラシで強く磨くと、セラミックの劣化につながる可能性があります。

また、セラミック治療では被せ物、詰め物としての役割を果たしながら、歯も白くできますが、虫歯、歯周病のリスクは、天然歯であっても、銀歯であっても、セラミックであっても、程度はあれどつきものです。

周囲の歯の虫歯を防ぐためにも、歯科医院で定期健診を受けるようにしましょう。


まとめ

最近話題のセラミック治療は、天然歯のような審美性の高さ、銀歯以上の強度を実現しています。

また、金属アレルギーの対処にもなるので、アレルギーでも安心して虫歯の治療ができるといえるでしょう。

ただし、セラミック治療は保険適用外の自由診療のため、高額な治療費がかかることは、あらかじめ理解しておかなければいけません。

そのうえで、歯科医師と相談することをおすすめします。

特に、セラミック治療に対応する歯科医院であっても、それぞれ特徴もあれば症例数なども違うため、比較検討したうえで治療を受けるセラミック治療の経験を豊富に有する歯科医院を決めるといいでしょう。

小嶋デンタルクリニックでは、充実した医療設備のもと、一人一人に合わせたオーダーメイド治療を行っております。

開院以来数多くのセラミック治療を扱ってきた実績を活かし、アフターケアまで責任持ってご対応いたしますので、ぜひまずは一度お気軽にご相談ください。