Blog
ブログ

セラミック歯の寿命は?寿命を縮める原因や長持ちさせる5つのコツを紹介!

2023/05/29

審美性に優れ、本物の歯と遜色ない美しい見た目を実現できるセラミック歯。

これまでの詰め物や被せ物といった歯科治療では、金属を使用するのが一般的でした。

金属による治療は銀歯とも呼ばれており、見た目も金属そのものです。
一目で治療箇所が分かることから、仕上がりに違和感を覚える方は少なくありません。

近年では、見た目の美しさを重視する考えが広まり、自然で美しい仕上がりのセラミック歯を選ぶ方が増えています。

しかし、セラミック歯が見た目に優れていることは知っていても、その種類や寿命については知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、セラミック歯の種類ごとの寿命や銀歯より長持ちする理由、寿命を縮める原因や長持ちさせるコツについて詳しく解説します。


セラミック歯は一生使える?種類ごとの寿命を紹介

セラミック歯の寿命は、一般的に10〜20年といわれています。

10〜20年という数字はあくまで目安であり、セラミック歯の種類や日頃のセルフケア・メンテナンス次第で前後する可能性があります。

セラミック歯の種類とそれぞれの寿命は以下の通りです。

  • オールセラミック:10年~15年
  • e-max:10年~15年
  • ハイブリッドセラミック:7年~8年
  • ジルコニアセラミック:10年~15年(素材自体は一生持つといわれている)
  • メタルボンド:8年~10年

上記からも分かるように、セラミック歯は種類によって寿命が大きく異なります。

寿命が比較的長いオールセラミックやジルコニアセラミックであっても、日頃のセルフケアを怠った場合は、10年未満で交換が必要になることも珍しくありません。

一方で、日頃のセルフケアや定期的なメンテナンスを欠かさず行った場合は、20年以上使用できる場合もあります。

セラミック歯は保険適用にならない場合が多く、治療費も高額になるケースも少なくないため、可能な限り長持ちさせるケアが重要です。


銀歯よりもセラミック歯が長く使える3つの理由

セラミック歯は、銀歯より長く使えるという特徴があります。これはセラミックの素材としての特性が大きく影響しており、銀歯より優れている点が多いです。

ここでは、セラミック歯が銀歯より長く使える理由を3つ紹介します。

虫歯になりにくい

セラミックには、表面に汚れがつきにくい特性があります。

銀歯の表面は細かい傷ができやすく、時間経過とともに劣化することが特徴の一つです。
表面の傷や劣化による変形に起因して、銀歯と歯の間に隙間が生まれ、そこに汚れが入り込むことで歯周病や虫歯を引き起こすとされています。

一方で、セラミック歯は舌で触っても分かるほど表面がツルツルしており、細菌の温床となり得る歯石や歯垢などの汚れが付着しにくいです。

そのため、歯周病や虫歯などのリスクが軽減され、結果として銀歯より長く使用することができます。

強度が高い

従来の歯科治療で使用されてきた金属は、劣化しやすかったり溶け出す可能性があるなど、耐久性が安定しないことが一つの課題でした。

セラミックは陶器であり、熱に強く硬度が高いことが特徴です。

特にジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドとも呼ばれており、金属に匹敵するほどの硬度があるといわれています。

強い力がかかりやすい奥歯の治療に使用することが可能であり、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方に最適です。

ただし、硬すぎるがゆえに噛み合う際に他の歯に傷をつけてしまう可能性があることは留意しておかなければなりません。

セラミックの強度は非常に高いといえますが、必要以上に力がかかったり強い衝撃が加わった場合は割れる・欠ける可能性があるため、注意が必要です。

適合性が高い

セラミックは生体親和性が高く、天然歯との適合性が高いといわれています。
生体親和性とは、異物によって生じる体内の組織反応の程度を示す言葉です。

セラミックは生体に対して有害な作用を及ぼさないことから、銀歯に比べ口内でのアレルギー反応が発生しにくい特徴があります。

また、セラミックは銀歯のように時間経過とともに溶け出すことがないため、歯茎の黒ずみが発生するリスクも軽減されます。

セラミックは非常に安定した素材であるため、口内という過酷な環境下でも美しい状態を長時間保つことが可能です。


セラミック歯の寿命を縮める6つの原因

セラミック歯は高い耐久性を誇るため、銀歯より長持ちする可能性があります。
しかし、頑丈なセラミック歯でも原因によっては寿命を縮めることになりかねません。

ここでは、セラミック歯の寿命を縮める原因を6つ紹介します。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしり・食いしばりは、セラミック歯の寿命を縮める原因の代表例です。
歯ぎしり・食いしばりは歯に強い力をかけるため、セラミック歯の割れや欠ける原因になります。

特に就寝中は力の加減をコントロールできないため、日中に比べ数倍の力がかかるともいわれています。

高い耐久性を誇るセラミック歯ですが、継続的に強い力がかかっていては、長持ちさせることはできません。

加齢による噛み合わせの変化

歳を重ねると、歯の土台となる歯茎が徐々に下がり、嚙み合わせが変化する場合があります。

また、歯周病の進行や歯科治療も嚙み合わせが変わる原因であり、セラミック歯を利用する際は注意が必要です。

嚙み合わせが変わった部分には強い力がかかってしまうため、セラミック歯の割れや欠けを招くことに加え、頭痛や肩こりなどを誘発する可能性があります。

天然歯の摩耗によっても嚙み合わせは変化していくため、定期的な確認とメンテナンスが大切です。

強い衝撃

強い衝撃を受けた際に、セラミック歯が割れるというケースは少なくありません。

通常の食事においては十分な耐久性を持っていますが、日頃から硬い食べ物を好んで食べている方は、セラミック歯が割れてしまうリスクがあります。

また、スポーツをする方であれば、ボールの直撃や予期せぬ転倒などの事故に見舞われる可能性もあるため、注意が必要です。

不十分なセルフケア

セラミック歯は、天然歯との適合性が高いため、歯と歯の間に隙間ができにくいといわれています。

しかし、セラミック歯はあくまでも人工的に作られた歯であるため、わずかな隙間や段差ができてしまう可能性があります。

日頃のセルフケアを怠り、この隙間に汚れが溜まってしまった場合は虫歯や歯周病を引き起こす原因になり、天然歯とセラミック歯の寿命を縮めてしまいます。

また、硬い歯ブラシを使用して強い力で歯を磨き続けた場合も隙間や段差の原因になります。

日頃のセルフケアを欠かさず行うことはもちろんですが、その方法にも注意が必要です。

治療箇所の虫歯再発

被せ物や詰め物などの歯科治療をする際は、虫歯を完全に削りとり、土台を立てたうえで行うのが基本です。

しかし、接着が甘い場合は、土台と被せ物や詰め物の間に隙間ができてしまいます。この隙間に汚れが溜まることで、虫歯が再発すると考えられます。

万が一虫歯が再発した場合は、セラミック歯を取り除いたうえで治療を行わなければなりません。そうならないためにも、日頃のケアと定期的なメンテナンスが重要です。

自分の歯に合っていない

セラミック歯が自分の歯に合っていないだけでも、寿命を縮める原因になります。
セラミック歯が合うか合わないかは、土台となる歯との適合性に左右されます。

形が合っておらず、セラミック歯と土台の間に隙間があった場合は、がたついて外れる可能性があり、場合によっては虫歯の原因にもなりかねません。

隙間が生じる原因としては、担当する歯科医師や歯科衛生士などの経験値や技術力不足が挙げられます。

セラミック歯を長持ちさせたいのであれば、信頼できる歯科医に行くことをおすすめします。


セラミック歯の寿命を長持ちさせる5つのコツ

セラミック歯の寿命を最大限伸ばすためにはセルフケアに加え、定期的に歯科医で診てもらい、メンテナンスすることが重要です。

セラミック歯は保険適用にならない場合が多いため、治療費を節約するためにも日頃から注意することが大切です。

ここでは、セラミック歯の寿命を長持ちさせるコツを5つ紹介します。

丁寧なセルフケア

セラミック歯の寿命を長持ちさせるためには、日頃のブラッシングに加え、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用して、丁寧なセルフケアを心掛けることが大切です。

ブラッシングの際は、柔らかくヘッドが小さい歯ブラシを選び、歯と歯茎の間を丁寧に磨くことがセルフケアの基本です。

硬い歯ブラシで力を入れてブラッシングした場合は、セラミック歯に悪影響を及ぼすため、注意しなければなりません。

また、ブラッシングだけ行った場合、歯と歯の間の汚れは6割程度しか除去できないといわれています。

歯ブラシが届かない部分はデンタルフロスや歯間ブラシを使用し、歯の裏や歯の隙間を意識することで、9割程度の汚れは除去できるはずです。

噛み合わせのズレを修正

セラミック歯を長持ちさせるためには、嚙み合わせのズレに気を付けることが大切です。

セラミック歯のトラブルは、嚙み合わせのズレによって発生する場合があり、修正せずに放置してしまった場合は、寿命を著しく縮める可能性があります。

嚙み合わせのズレは加齢や歯周病が進むことで発生する場合があり、ズレた部分には余計な力がかかってしまいます。
余計な力がセラミック歯にかかった場合は、割れや欠けの原因になるため、注意が必要です。

嚙み合わせのズレは自身では修正できないため、定期的に歯科医に通い、専門家に診てもらうことが大切です。

定期的なメンテナンス

歯科医では、嚙み合わせのズレの修正はもちろん、歯と歯の間の隙間や磨き残しなども確認してくれるため、全体的なメンテナンスが受けられます。

また、セルフケアでは除去しきれなかった歯石や歯垢を取り除いてくれるため、口腔内の健康維持のために有用です。

特にセラミック歯は、土台との間に隙間ができるケースがあり、そこに汚れが溜まることで虫歯に発展します。

こういった手が届かない汚れも歯科医では除去してくれるため、定期的に通うことで歯の健康を維持し、セラミック歯の寿命も長持ちさせることができるでしょう。

マウスピースの着用

歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、マウスピースを使用することでセラミック歯を守れます。

日中は意識することができるため、歯ぎしり・食いしばりはある程度防止することは可能です。
しかし、就寝中は力加減のコントロールができないため、セラミック歯に余計な力がかかり、割れや欠けにつながる可能性があります。

こういったトラブルを防止するためにマウスピースは有用であり、たとえ就寝中であってもセラミック歯および天然歯を保護できます。

歯ぎしり・食いしばりは、多くの場合ストレスから発生するため、日頃からストレスをためない工夫が必要です。

虫歯や歯周病の予防

セラミックは従来の金属に比べ、汚れが付着しにくい特徴があります。

しかし、汚れが付着しにくいからといって、虫歯や歯周病にならないわけではありません。

セラミックは天然歯と比べた場合、虫歯や歯周病になりやすいです。

日頃のセルフケアには限界があるため、定期的に歯科医に行き、PMTCやバイオフィルムの除去などの治療を受けることをおすすめします。

適切に虫歯や歯周病の予防を行うことで、セラミック歯の寿命を伸ばすことができるでしょう。


まとめ

この記事では、セラミック歯の寿命や銀歯よりセラミック歯が長持ちする理由、セラミック歯の寿命を縮める原因や長持ちさせるコツについて詳しく解説しました。

セラミック歯は天然歯と遜色ない美しい仕上がりに加え、寿命も10年〜20年と、銀歯に比べ長持ちする傾向にあります。
また、セラミックは表面に汚れが付着しにくい素材であることから、虫歯になりにくいといわれています。

しかし、セラミック歯は決して万能ではありません。
天然歯と同じように適切なケアをしなければ、虫歯や歯周病に加え、割れや欠けなどのトラブルに見舞われる可能性があります。

セラミック歯の寿命を長持ちさせたい場合は、丁寧なセルフケアはもちろん、歯科医での定期的なメンテナンスを欠かさないことが大切です。

小嶋デンタルクリニックでは、「オールセラミックe-max」や「オールセラミックジルコニア」などの高品質な素材を使用したセラミック治療を提供しています。

患者さんが再治療にならないよう、身体にとって安全で維持できるように、治療からアフターケアまで責任を持って対応いたします。

セラミック治療を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。