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下歯槽神経に完全に触れているケース

2023/01/25

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
 

 

 
親知らず抜歯を検討ということで、二次元レントゲン後に下歯槽神経にかなり近接していることがわかったため、事前にCT撮影を行いました。
すると上記画像所見。
根は2根存在しますが、そのうちの深い1根が完全に下歯槽神経に触れて巻いている状態。
抜歯後の麻痺出現するリスクがかなり高いことを説明しました。
 

麻痺には程度がありますが、このように完全に接し、少し巻いているケースを強引に抜歯すると神経の断裂が起こることが多く、麻痺の回復がしなくなることがあります。
下歯槽神経はあくまで知覚神経であるため、麻痺が出現し症状が完全に消えなくても症状が固定化されると言うように、慣れてしまうことがほとんどなのですが、極力麻痺は起こしたくないですよね。
 
今回も埋伏している親知らずの抜歯ベネフィットが、麻痺リスクを上回ることはなさそうだったので、抜歯はせずに経過となりました。麻痺を起こさずに抜歯する方法として、2回法という方法があります。
 

一度だけ行ったことがありますが、神経に接する根だけ残して残りは撤去する。数ヶ月後に自然に残した歯根が挺出してきて神経から離れたところで抜歯。
今回も少し考えましたが、そこまで行う緊急性もなく、確実な治療でもないことから選択せずに、反対側の埋伏歯のみ抜歯としました。
 
抜歯ベネフィットを考えることは、生活の質を考える上でも大切です。
何事も大局に立ち、治療内容を決定していくことが大事ですね。
 
 
 

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