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認知症と歯科治療
2020/12/15
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
認知症の方の歯科診療について質問がありましたので、本日はその解説をします。
高齢社会において、認知症の方に接する機会は非常に多くなっています。
当院においても訪問診療を積極的に行っていますので、認知症の方の診療は通常と変わらず日常として行っています。
認知症の方と、認知症ではない方での歯科治療の違いにはどのようなことがあるのでしょうか。
結論からいうと、歯科の特殊性に関係してきます。
歯科の特殊性とは、
・本人の希望が前提
・診断に対して複数の治療方針がある
・契約は本人と歯科医師の間で行う
これが基本的な、歯科の特殊性となってきます。
加えて認知症の人に対しての歯科診療としては、
・認知症は目に見えない機能障害
・生活の困難に対応する必要性(本人任せにできない)
・高齢者の口腔の多様性(義歯やインプラントなど)
・身体の機能低下に、口腔の機能低下がリンクする
・栄養摂取への影響
・契約と診療費は、本人の希望だけで行えない可能性があること
このようにプラスして出てきます。
特に、身体機能の低下と、口腔機能の低下がリンクすることは非常に課題となります。
認知症の進行のフェーズとして、BPSD期からターミナル期の間は特に身体機能が低下してきます。
このような場合、例えば義歯などの新製や修理をしても使ってもらえないことがあります。
口腔機能は、義歯や歯だけで機能しているわけではなく、口腔周囲筋や嚥下機能、唾液分泌など様々な複合的な要素が噛み合って成立しますが、身体機能の低下と共に、噛むという認知機能や、口腔周囲の筋肉の劣化などが起こるとどんなに良い義歯や、歯を入れても「使えない」ということになります。
また、一般的には診療は患者さん本人が決定していきますが認知症の方は、本人の希望だけでは履行することができず、ご家族やケアマネージャー含め第三者に決定を委ねる必要があります。
そのため、診療介入に時間がかかるのと、こちらが行うべきと判断した治療ができないということもあります。
このように、認知症の方の治療は少しプラスして特殊性が存在します。
しかし、かかりつけの歯科が認知症の方を診る、認知症に気づくということは非常に意義があると思います。
・早期に気づくことで、他業種に繋ぐ役割を担うことができる
・早期からの継続的な関わりによって、変化を捉えることが可能となること
・認知症の初期から関わりで、予知的な治療を行うことができること
・早期からの関わりにより、家族や介護者と連携し、負担軽減や、認知症の進行抑制に貢献できること
このようなメリットがあります。
口から食べることの喜びというものは、幾つになっても変わりません。
最後まで口から食べれるように、支援することも歯科の重要な仕事となっています。
認知症の方の診療含め、訪問診療をご希望の方は一度ご相談ください。
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