Blog
ブログ

治らないBRONJ

2020/10/27

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

訪問歯科診療は土日を除く毎日ご自宅や、施設を含め行き診療を行っております。
需要も増えてきています。

 

さて昨年よりいっているご自宅で療養中の患者様。
元々右下の歯の動揺と歯肉の腫脹を訴え、近隣の訪問内科クリニックより紹介。

 

右下の小臼歯が明らかにグラグラの状態であり多量の排膿を認めている状態でした。

 

摂食嚥下機能は全く問題ない患者さんで、右下が腫脹し動揺することで噛めないという訴えでした。

 

全身疾患においては「骨粗しょう症」のためビスフォスフォネート製剤を長期服用あり。

 

このような既往と臨床症状よりBRONJが疑われている状態でした。

 

訪問内科医と、抜歯に伴う腫脹の増大やBRONJの進行も考えられること含め検討した結果、動揺歯抜歯をすることによるベネフィットの方が大きい可能性が高いと判断。

 

この場合のベネフィットとは、動揺している歯があるために食事ができないこととなっているため動揺歯の抜歯を行うことで食事が回復できるということでした。

 

そして抜歯後、動揺している歯牙がなくなったため食事機能は回復。栄養状態も良くなりました。
しかし、変わらず抜歯部位からは持続的な排膿を認める状態。

 

その後こまめに洗浄を行っていましたが、腫脹、減退を繰り返している状況で炎症症状が強い際には点滴をしたり、静岡病院の口腔外科と連携し一時的に入院し排膿処置を行ったりしています。

 

現在も同様に排膿が続き洗浄を繰り返しているという状況です。

 

このように、一度BRONJを発症すると現代の治療においては保存的なアプローチが推奨されており、高レニは抗生剤の投与、口腔内洗浄、疼痛管理及び限定的な壊死組織切除などがあります。

 

骨切除などの外科的治療や高圧酸素療法などはまだまだ有効性が研究段階。

 

いわゆる対症療法が主体となってしまうわけです。
高齢者は特に入院などにより生活活動レベルが落ちてしまうとSDLが一気に低下し再度自宅に戻ることが困難になることがあります。

 

できるだけ自宅で消炎できるよう処置を繰り返しています。

 

BRONJを起こさないためには、

 

・事前にしっかりと口腔内をきれいに管理しておくこと
・BP製剤を服用する前に歯科治療のリスクを限りなく排除すること

 

これに尽きます。
現代医療においてもなかなか治らないBRONJ.
女性に多い「骨粗しょう症」

 

診断され服薬開始する前に、歯科医院で口腔内のリスクをチェックするようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

コジデン院長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
https://ameblo.jp/kojima-dental

トライアスロンで健康ライフブログ(趣味のトライアスロンのレース記です)
http://triathlon51.com

インプラント専用サイト
https://ryu-implant.net