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上顎洞に近接した親知らず抜歯

2020/10/17

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

下の親知らずを抜歯する上での注意点は以前のブログで何回か紹介させていただきました。

 

腫れが強く出現する可能性があること。
下歯槽神経、舌神経が麻痺する可能性があること。

 

本日は上の親知らずの抜歯において注意すべき点を説明していきたいと思います。

 

結論から言うと上の親知らず抜歯の際に留意すべき点は2つ

 

・上顎洞との穿孔
・後上歯槽動脈と出血

 

上顎洞との穿孔というのは、上の親知らずの根っこが生まれながらにして上顎洞という空洞に入り込んでいる人がいらっしゃいます。

 

その場合は、抜歯後に上顎洞と交通してしまい、口と鼻腔が交通してしまいます。

 

基本的に自然にすぐ閉鎖してくるので心配入りませんが、上顎洞での感染を防ぐため2週間ほど、抗生剤の服用をする可能性があります。

 

次に後上歯槽動脈と出血。
これに関しては解剖学的には限りなく頻度は低いと思いますが、稀に動脈の走行位置が非常に口腔内に近い方がおられます。

 

そのような方は、配慮しなければ抜歯後に大量出血を引き起こす可能性があります。

 

今回抜歯した症例。
レントゲン写真にてかなり上顎洞に近接していることがわかります。
患者さんには事前に、抜歯後の穿孔の可能性を説明。

 

このまま、抜かずにおいておくことで隣の歯がダメになってしまう可能性が高いため抜歯をします。

 

半埋伏の歯ですが、見える位置から切開をせずに抜歯。
抜歯後の穿孔チェックでは穿孔はしていませんでした。

 

今回はCT撮影はしていませんが、2次元のレントゲンでは深みがわからないので、今回は親知らずと上顎洞との位置関係において正面から見ると重なって見えるが、実際は3次元的には重なっていなかったという症例になります。

 

どちらにせよ、抜歯後の穿孔の可能性があることと、穿孔した場合の対応を準備しておく必要があります。

 

上の親知らずは比較的簡単に抜けると思われる方は多いと思います。確かに、抜歯の時間としては数十秒で終わることが多い。

 

しかしこのようなリスクもあることを念頭におきましょう。
詳しくは歯科医院でご相談くださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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