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副鼻腔炎と口腔内
2020/09/05
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
虫歯がなくても歯が痛むことはあります。
虫歯がなくても痛む原因としては・・・
1・歯周病の進行
2・根尖病巣の進行
3・咬合性外傷、外傷性咬合
4・知覚過敏
5・食いしばり
6・副鼻腔炎などの蓄膿症
7・被せ物、詰め物の不適合
その他にもありますが、ザッとこのように挙げられます。
先日、なんとなく上の奥が痛いような違和感があるような感覚で来院。今まで定期健診などで拝見していく中でも特に問題がなかった部位。
口腔内所見では虫歯はなく、レントゲン撮影でも上記項目で疑う項目はない。が・・・副鼻腔の一つである上顎洞の不透過性が亢進している傾向あり。
耳鼻科ではないので確定診断や詳細な検査はできないのですが、口腔内と副鼻腔との関係性は実は密接しています。
まず副鼻腔とは、鼻の周辺及び、顔面部に複数の空洞があります。
この空洞のことを副鼻腔と呼び、全部で4つ存在します。
1・前頭洞
2・篩骨洞
3・蝶形骨洞
4・上顎洞
いわゆる広義での副鼻腔炎は上記の4つのどこかに、炎症がある状態を指します。
ここに炎症が入る原因のほとんどが、細菌感染や、アレルギー性鼻炎などが原因であると言われています。
本来は、副鼻腔内に細菌が侵入しても副鼻腔内に存在する、線毛の運動により外へ排除するのですが、これが慢性化することで粘膜が厚くなってしまい外へ排除されにくくなってしまいます。
これにより副鼻腔炎が発症されると言われています。
さて、ここから歯と副鼻腔炎との関係性を説明します。
副鼻腔の中で、「上顎洞」と呼ばれる副鼻腔があります。
このように、上の奥歯(大臼歯)において非常に近接しており、画像では抜けていませんが、既に上顎洞に歯の根っこが入り込んでいる場合があります。
このような位置関係を示す奥歯において、炎症が出現すると以下のようなことが起きることがあります。
1・大臼歯部の虫歯を放置して溜まってしまった炎症が上顎洞内に入り込む
2・上顎洞内にできた炎症が原因で、奥歯が痛くなる
1のことを「歯性上顎洞炎」と呼びます。
2のことを「鼻性上顎洞炎」と呼びます。
よく耳鼻科で、上顎洞炎の治療を始めてもよくならない場合、歯科に紹介されて歯が悪かったということがあります。
その逆としても、歯痛くて歯科に行ったが、歯は悪くなかったということもあります。
上顎骨は比較的、海綿骨という骨質が「疎」であるため、細菌が広がりやすい傾向にあります。
今回の場合も、レントゲンや口腔内所見ではほとんど炎症所見がなかったため、耳鼻科的な疾患が優先される可能性を説明しました。
もちろん、そうではない可能性もあります。
耳鼻科的に問題ないのであれば、再度精査が必要となってきます。
上顎洞炎の症状としては、
・1週間前から噛むとなんとなく上の歯に違和感がある
・夕方以降や寝る前になるとなんとなく痛い
・なんとなく頬が腫れぼったい感覚がある
・走ったり、階段を降りた際に響く感覚がある
・シャンプーしたり頭を振ると違和感がある
このような形が多いと思います。
上顎洞炎は、放置していてもたまに自然になくなる場合もありますが、数週間にわたりスッキリしない場合は、全身的によくありませんので早めに医療機関を受診するようにしましょう。
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