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ぶつけて歯が抜けてしまった場合

2020/07/14

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

先日、「外傷などで歯が抜けてしまった場合はどのような対応をしたらいいですか?」という質問を受けましたので今日はそのお話をします。

 

 

歯というのは、骨に直接くっついているわけではなく、歯根膜と呼ばれる組織を介して、骨と結合しています。

 

その歯根膜があるおかげで噛んでいる感覚を得ることができたり、生理的動揺といって過度な咬合力がかかった場合にクッションの役目をしてくれて歯や歯槽骨を守ってくれています。

 

歯根膜は歯周組織の中でも非常に大切であり重要な組織ですが、外からの圧力に対しては弱いことがあります。

 

抜歯や外傷などの外からの圧力により、歯根膜とともにスポンっと取れてくることがあります。

 

歯科では正常な状態の歯が、外傷などにより自然に取れることを「完全脱臼」と言います。

 

肩が脱臼したということありますよね。

 

一般的には脱臼という言葉は骨が関節から外れることで使われる言葉ですが、歯科においては、歯が抜けてしまうことも脱臼ということがあります。

 

さて本題に戻り、外傷により脱臼した場合の対応についてお話します。

 

まず、脱臼してしまった場合は、すぐに歯を保存しましょう。この保存方法が大切です。

 

先ほど説明したように、歯根の周りにはとても大切な組織である「歯根膜」が存在します。

 

そのためその歯根膜が障害されてしまうことでその歯の予後も変わってきます。

 

まず抜けてしまった歯を乾燥しないようにしましょう。

 

ポケットに歯を入れて歯医者さんにきても、つけれない可能性があります。
では何につけて持ってきたらいいかというと、

 

1・生理食塩水
2・牛乳やミルク
3・口腔内で唾液の中で保存

 

このように上記の中で保存が望ましいと言われています。

 

水道水や、普通の飲料用の水ですと、20分で歯根膜細胞は死滅すると言われています。

 

普通の水に入れるぐらいなら、飲み込みに気をつけながら口の中で保存しておいたほうが良いです。

 

ちなみに口の中に入れてあまりコロコロして遊んでいると、それはそれで組織が傷ついてしまいますので、頬よりに忍ばせておきましょう。

 

どうしても、上記での保存が難しい場合は乾燥状態であれば20分以内に再植できれば予後が良いと言われます。近くの歯医者さんに駆け込みましょう。

 

60分以上乾燥させてしまうと予後不良であるというデータがあります。

 

ちなみに上記の3つの中で保存できるようであれば6時間程度は歯根膜組織や細胞が障害が受けにくいとされています。

 

ちなみに、再植の対象となるのは「永久歯」のみです。

 

そして、歯周病などでグラグラだった歯はダメです。

 

乳歯の完全脱臼歯は再植すべきではないと、口腔外科学会のガイドラインでは出ております。

 

乳歯も年齢にもよりますが、強引に再植をすることで成長するはずの周辺歯槽骨の発育不全に繋がり、永久歯となったときに歯並びが悪くなりやすかったり、歯の高さが変わったりなど様々な影響が出るとされています。

 

脱臼してしまった歯がまず、乳歯なのか永久歯なのかを確認した上で保存するようにしましょう。

 

どちらかわからない!という場合は、上記記載したように乾燥は絶対させないで保存し急いで近くの歯医者に行くようにしましょう!

 

脱臼からの再植は、時間との勝負です。

 

 

 

 

 

 

 

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