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高齢者歯科医療

2020/06/24

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

ご高齢の方の治療で一番悩むのが、残根の処置。
本来であれば、残根というのは抜歯すべきなのですが、高齢となると服薬状況的に、抜歯しない方が良い場合もあります。

 

 

 

また服薬以外でも抜歯をすることで、食事が取れなくなり衰弱してしまう方や体力的に治癒まで時間が明らかにかかりそうな場合は、抜歯しない場合もあります。

 

この判断が非常に難しいです。
残根は無意味に残しておくことで、感染源となり清掃不良にもなりやすいです。

 

認知症などに罹患せず、自分でケアができる方は良いと思いますが、介助者が口腔ケアをする場合、この残根へのアプローチが非常に難しいのです。

 

残根が清掃不良になると、周辺歯肉は腫脹してきます。

 

それにより義歯が装着できなくなったり、細菌感染の温床となるため誤嚥性肺炎のリスクの向上など様々な弊害が出現します。

 

抜歯をしてあげたい、でもその方の背景を考えなくてはいけません。

 

私は、ここの判断は完全に抜歯のベネフィットが残根状態にしておくことに対して勝る場合のみにしています。

 

骨粗しょう症にて服薬している場合は、数%の確率で抜歯後に顎骨壊死と呼ばれる状態になることや、抜歯後に義歯が数週間合わない状態になったとしても、抜歯しなければ、もっと食事が取れない状態になり全身的に影響が出る場合や、誤嚥性肺炎の原因になるリスクが非常に高い場合など、抜歯することのベネフィットが大きい場合のみ、抜歯するようにしています。

 

高齢者歯科診療は非常に、奥が深いものがあります。

 

自分が家族だったらどのような治療を望むだろうかということが常に頭によぎります。

 

一般的な臨床における正解が、たまに不正解になるのも高齢者歯科医療。

 

大変ですが、日々勉強です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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