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親知らずの抜歯のポイント
2020/05/30
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
よく、親知らずの抜歯は上がすぐ抜けて下はなかなか抜けなくて痛みも強いんですよね?と質問を受けます。
あながち間違っていません。
これは、骨質の問題で上顎骨と下顎骨で決定的に違うことは
「皮質骨の厚さ」です。
歯を支えている骨は、
外側に皮質骨という厚い骨に覆われ、その内側に海綿骨という骨梁に覆われています。
海綿骨というのは、非常に疎であり弾力性があります。
そのため、歯を咬合力から守る役目もあります。
物理的に不可能ですが、例えば皮質骨に歯が萌出している場合は弾性のなさで咬合力に負けてしまい歯がボロボロになります。
もう少しわかりやすく言うと、歯をコンクリートに植えたとして上から叩いたら割れますよね。
でも、粘土とか少し硬めの土に植えて上から叩くと歯は傾くけどおそらく割れませんよね。
逃げることができるんです。
話は戻って、この海綿骨と、皮質骨のバランスが親知らずの抜歯のポイントとなります。
下顎骨は、基本的に上顎骨に比べて皮質骨が厚い分、歯が全然動きません。
一方上顎骨は、皮質骨が薄く歯が動きやすいのです。
そのため、上の親知らずは下の親知らずに比べて抜歯しやすいということになります。
しかし、上の親知らずで気をつけなくてはいけないことがあります。
それは副鼻腔の一つである、上顎洞の存在です。
本日抜歯したケース。
口腔内には、親知らずが小さく咬頭のみ出ている状態でしたが、歯冠と歯根はほぼ骨に埋伏している状態でした。
非常に上顎洞に近接していますよね。
そして、皮質骨が薄い上顎骨において力をかけ過ぎてしまうと、上顎洞に穴が空いてしまう場合もあります。
ちなみに力をかけなくても、もともと上顎洞と親知らずが交通している場合もあり、抜歯後自然に交通する場合もあります。
一番怖いのが、この服鼻腔である上顎洞に親知らずを落としてしまうこと。
大学病院での研修中に一度見たことがあるのですが、抜歯時に上顎洞に迷入してしまったということで紹介来院されていました。
実はこのようなリスクがあるので、歯科医師側は簡単だと思っていてもしっかり注意しなくてはいけません。
個人的には、上の埋伏抜歯が最も慎重になります・・・
出来るだけ最小限の切開としながらも、上顎洞に落とさないようまた骨に負荷がかからないよう抜歯を心がけています。
今日も特に上顎洞との交通なく綺麗に抜歯できております。
心配な方はご相談ください。
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