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親知らず抜歯後のリスク

2020/04/21

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

 

先週より、非常に親知らずを抜歯したいという患者さんが多くいらっしゃいます。

 

なぜかな〜って考えた時に、「在宅ワーク」の人が増えている、行動制限が出ていることが要因ではないかなと感じます。

 

今の時期、コジデンは不要不急な治療は避けているのですが、患者さんよりどうしても親知らずを今のうちに抜歯してほしい!と言われると
それは、確かに患者さんにとっては今しかできないタイミングではないかと感じ、治療を受けるようにしています。

 

 

親知らずは、術後の個人差はありますが比較的下の親知らずを抜歯すると腫れやすい傾向にあります。

 

 

下の親知らずは、下顎骨という非常にしっかりした骨に覆われています。下顎骨の皮質骨と呼ばれる非常に硬い骨は奥にいけばいくほど厚くなります。

 

骨が厚いということは、その分抜歯後に腫脹するリスクが大きくなります。
血流量の問題もあります。必ず引きますけど、腫れる方はけっこう腫れます。。
全く腫れない方ももちろんいらっしゃいます。

 

 

親知らずの状態にもよりますが、切開を大きくとったり骨を削合したりなどして抜歯せざる得ない場合は腫れる可能性があります。

 

あとは、年齢が若いと血流の関係で腫脹しやすい傾向もあります。

 

 

また下の親知らずは抜歯時に神経麻痺を引き起こす可能性もあります。
以前もブログでもご紹介しましたが、コジデンでの実績値では0.2%ぐらいで出現しています。

 

 

この麻痺にはいくつかの種類があります。

 

 

まずは、下歯槽神経麻痺があります。
これは、歯根のすぐ下にある下歯槽神経が、抜歯をする時に損傷してしまうと、下唇から下顎にかけて麻痺が起きる症状です。

 

 

 

麻痺の大半はこれです。
埋まって生えている親知らずはさらに下歯槽神経に近くなってしまいます。

 

埋まって生えている親知らずを抜歯する時には、歯根と歯冠をいっしょに抜くと歯根が下歯槽神経を傷つけてしまう恐れがあるので、歯根と歯冠を分割してから抜くのですが、それでも歯根が神経を傷つけてしまうこともあるのです。

 

 

もう一つの麻痺は、舌神経が損傷して、舌にしびれや味覚障害がおこる舌神経麻痺という症状もあります。

 

舌神経は、した顎骨の内側で下顎神経から分岐して舌まで届いている神経です。

 

 

抜歯時の切開で傷つけてしまったり、傷口を縫合する時に神経を巻き込んでしまったりしたことが原因で舌神経麻痺が発生してしまいます。

 

 

下顎の親知らずの抜歯にはこれらのリスクが伴うものなので、抜歯の前には必ず説明していますし、あらかじめ神経に近いと予想される場合は、抜歯前にCT撮影を行うことで予後を予測し抜歯時に対応します。

 

 

 

しかし、ごくまれに麻酔の影響でしびれが残ってしまうこともあります。
これは時間の経過で治っていくものなので心配はありません。

 

 

神経の損傷の場合には、損傷の度合いにより回復に要する期間は違いますが、3週間から、数ヶ月で回復するケースが多いですが、勉強会での症例を見ると数年単位で経過を追っているケースもありました。

 

麻痺やしびれには、ビタミン12などを服用する薬物療法、星状神経ブロック、半導体レーザー、ステロイド剤、漢方薬などで神経の回復を促すための治療がおこなわれます。

 

 

これらの治療は神経損傷の直後から開始する必要があり、期間を開けてしまってから治療を始めても効果が出ない場合がほとんどです。

 

 

以前もお話ししたように、親知らずがあることで非常に口腔内が悪化してしまう状況になることもあります。

 

しっかりとセルフケアでも十分な環境のためには、基本抜歯しておくことが望ましいですが、このような抜歯後のリスクも踏まえよく検討していきましょう。

 

 

常に相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

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